実写化、舞台化、クラウドファンディングなど多くの話題で賑わう漫画、左ききのエレンには「漫画版」と「リメイク版」の2種類があることは知っていましたか?

そこで、それぞれの魅力や違いをまとめてみました。
- どちらから読んだらいいのか迷った
- 片方だけ読んで、もう一方を読むか悩んでいる
こんな人の参考になれば幸いです!
「左ききのエレン」原作とリメイクの違いは3つ
左ききのエレンの漫画は、原作もリメイクも登場人物の設定や大まかなストーリーはほぼ同じです。
では何が異なるのか?というと、読者目線で影響があるのはこちらの3つ。
- 連載先
- ストーリーの展開構成
- 作画
それぞれの詳しい違いを見ていきましょう。
連載先と購読システムが違う
まず、原作とリメイクはともにweb連載です。
わざわざ書店に行かなくても最新作が読めるのは個人的にとてもありがたい。
また、どちらも掲載先のサイトでスタートと最新の数話が無料で読めるので気になったらまずここから雰囲気などをチェックできます。
書店で紙の本をパラパラ立ち読みするような感覚かな。
ところが、連載先や購入システムは異なります。
連載先 | 購読料システム | 連載期間 | |
原作 | cakes(ケイクス) | 月額150円で読み放題 | 2016年3月から 2017年9月までの1年半※ |
リメイク | 少年ジャンプ+ | 1話30円で48時間レンタル | 2017年10月から連載中 |
比較的まとまった時間が作れて、一気読みできそうなら原作は月額登録で読むのがお得でしょうか。
cakes自体が多ジャンル記事を3万本近く掲載しているサイトでクリエイターの幅も広いので、ひと月と言わず継続課金してもいいくらい魅力的です。
リメイク版は1話ごとのレンタル制度なので自分のペースでゆっくり物語を追いかけられます。
毎日コンスタントに課金すれば前日分も読み返しできますし、公式は一気読みよりスキマ時間で読む人向けだと思います。
他にも、連載サイト以外にイーブックやkindleなどの電子書籍サイトで電子コミックスの購入が可能。
紙媒体の単行本みたいな装丁で、私的にはオンライン連載よりも話を読み進めるワクワク感が感じられる気がしますw
※光一とエレンの物語である第一部が63話で完結した後、番外編が6話公開、さらに第二部「左ききのエレンHYPE」が現在連載中です。
構成が練り直されている
原作が完結した直後に連載を開始した左ききのエレンリメイク版は、全体的なストーリーの進め方が練り直されています。

キャラクターの設定にもストーリー展開にも変更はないので、発せられるセリフも同じものがほとんど。
逆に、その後の展開やキャラクターの性格が伝わりやすくなるように変更された決め台詞もいくつか見つけられます。
左ききのエレンでは原作もリメイクも話中のセリフがタイトルになっているので、1巻に収録されている7話分を比較してみましょう。
原作 | リメイク | |
1話 | オレは、オレの事ばっかりだ | オレは、オレの事ばっかりだ |
2話 | ゴッホむかつく | パパの手はそうじゃなかったんだ |
3話 | パパの手はそうじゃなかった | それを知っている人を大人って言うのよ |
4話 | 主人公じゃないんだって | ちゃんとしなきゃ |
5話 | 名前はまるで呪いだよ | 名前はまるで呪いだよ |
6話 | 何かにならなきゃ | 何かにならなきゃ |
7話 | オレって佐藤可士和タイプじゃん | サラリーマンやれよ |
軸は同じですが、流れが若干変わっていることが分かるかな。

コミックス巻頭の見出しを使うと比べやすいので、興味のある人はぜひ見てみてください。
今回もエレンは原作バージョンと並べながら読んだー!原作にない話もとってもおもしろいし嬉しいけど、原作にあるところは並べて読んでnifuniさんの絵の解釈を「さすが!」って思いながら読んでる。かっぴーさんと打ち合わせもしてるだろうけど。 #左ききのエレン
— こくう❄️アナ雪2 (@koku_jil) November 2, 2018
ちなみに、リメイク3話の”それを知っている人を大人って言うのよ”は原作にはなかった言葉です。
人物の性格や思考がダイレクトに伝わる名台詞の一つだと思います。
1巻同士の比較だと、さゆりのキャラが早いうちから深堀りされているのがリライト版ですね。
こんな感じで、リライト版は原作よりも丁寧にキャラクターやストーリーを深堀しているような印象があります。
絵の違いと評判
原作とリメイクはそれぞれ作画(絵の担当)者が違います。
- 原作…かっぴーさん
- リメイク…nifuniさん
かっぴーさんは言わずと知れた、左ききのエレン作者ですね。
原作は構成から作画まですべてお一人でされていたということ。
nifuniさんは今作が連載漫画デビューの若い方です!
元々はジュエリーデザイナーとしてお仕事されていた方なので、なぜ漫画を書くことになったのか、経緯がちょっと気になるところではあります。
原作作画の評判は?
正直、左ききのエレン原作の絵は、お世辞にも上手とは言えないクオリティです。
様々なレビューでも「下手」という意見が散見できるほど。
ただ、その絵の下手さを上回る、圧倒的な”熱量”について言及される機会も目立ちます。

私もこの熱量に魅了された一人でして、泥臭さや人間の醜さなんかも扱う本作にはピッタリな絵柄だったのかな、という気持ちも。
また、絵に頼らずとも読者に刺さるストーリー&キャラクターは作れるという、金字塔を打ち立ててしまったかもしれません。
リメイクの絵柄は?
左ききのエレンのリメイク版は、男女問わず親しめそうな、爽やか&キレイ系の絵柄です。
かっぴーさんの絵柄と比べたら、誰が見ても確実にnifiniさんの方が「上手い」と答えるでしょう(好き嫌いはまた別の話)
連載当初から一定の水準は越えた作画をされているのですが、3巻辺りからさらに進化されて、人を惹きつける魅力のある絵になったと思います。
特に女性キャラがすごく魅力的です!
なんていうんだろ、可愛い系の子も美人系の子も、みんなキラキラ活きてるようなニュアンス。
男性キャラは全体的に若返ったかな…おじさんキャラの渋みが好きだった人は、ちょっと物足りなく感じる部分もあるかも?
あともう一つ、ここが個人的に一番ありがたかったリメイクポイントなのですが、原作と比べて「背景の描写」がかなり多くなりました。
そのおかげで、例えば場面の切り替えが多いパルクールのシーンでも”誰がいつどこにいて、どう動いたのか”を用意に把握できるように。
原作だと、何度読み返しても、ん??ってなっちゃう場面の切り替えがところどころあったんですよね。
これが、リメイクを一度読むことで原作の方もクリアに場面を想像できるようになりました。
原作から読むのがオススメ
これから左ききのエレンを読み始めるという人は、ぜひ原作から入ってみてください!
やはりキャラクターや設定を決め、ストーリーも練っている原作者のかっぴーさんだから描ける”熱量”があるからです。
▼熱量高めの原作版レビュー記事はこちら
いま原作の途中まで読み進めている人も、そのまま一度原作を読み切ることをオススメします。
原作とリメイクは全体のストーリーや設定は同じものの、話の流れ(構成)は異なります。
この2つを行ったり来たりしてしまうと、せっかくの伏線が活きてこなかったり、エピソードを見落としてしまったりする可能性が。
しかし、かっぴーさんご本人が仰っているのですが、画力や表現力の都合で原作では出しきれなかった描写・エピソードがたくさんあるそうです。
そこをカバーしているのが、nifiniさん作画のリメイク版。
なので、原作を読んで「良かった!」と思った方はぜひ、リメイクも読んでみましょう。
今までよりもっと、左ききのエレンの世界が深く見えてくるはず。
現在ジャンプ+で連載中のリメイクを読んでいて先が気になる!という人は(…本当は完結してから原作を読んでみて、とオススメしたいところですが)一気読みする気持ちで原作を読んでみてもいいかも。
絵に違和感を持つ人もいると思いますが、物語にハマれば不思議と気にならなくなってきますよ。
さらに、原作版では番外編と第二部も公開&連載中。
特に番外編は時間軸が現在にグッと近づいていて、リモートワークや育休といったリアルタイムな社会問題にも切り込んでいます。
絵もめちゃくちゃ上手くなっているので、リメイクが完結したら原作第二部を読み始めるという方法もいいかもしれません。
ドラマ版はまた違う物語
2019年秋冬クールで放送された、左ききのエレン実写ドラマ。
こちらはあくまでもドラマ用の脚本家さんがいて、作り直された物語です。
▼ドラマ化に関する情報まとめ
どちらかというと10代から20代前半の若い子に支持されている印象かな。
オンデマンド配信で今からでも視聴できるので、気になる人はぜひ。